2017.05.08 - 2017.05.14

野村昌平 Shohhei Nomura
test print

野村昌平 Shohhei Nomura「test print_1」

野村昌平 Shohhei Nomura「test print_2」

野村昌平 Shohhei Nomura「test print_3」

野村昌平 Shohhei Nomura「test print_4」




6年ほど前まで、銀塩モノクローム写真での個展を数年おきに開催していました。
作品としての銀塩モノクローム写真の制作は、長巻のフィルムをパトローネに詰めたり、現像や定着用の粉末の薬品を溶いたり、現像したフィルムを吊るして専用のスポンジで水滴を丁寧に拭き取る作業など、膨大な時間と手間をかけなければなりません。しかし同時に、手作業のひとつひとつに込めた思いがそのままフィルムに乗り移ってゆくかのような高揚感がありました(現像後に落胆することもしばしばでしたが)。一方、バライタ印画紙での作品作りでは理想とするイメージがなかなか得られず、時に長時間に及ぶ作業に苦しみました。

本展は新作展ではありませんが、個展で発表してきた銀塩作品とそのテストプリントを併せて展示しています。テストプリントは濃度やコントラストを確認した後に無造作に捨ててしまうのが普通ですが、画面全体の一部分を任意に切り取った一枚の写真として見たとき、夢の断片のような様相を呈していたり、独特な雰囲気を醸し出すことがあると気付いて残しておいたものです。

尚、会場の一角には、以前の作品掲載誌、2013年刊行のzine『コウガイビル01号』、本年1月刊行の拙作写真集『いくつかの記憶』(蒼穹舎)を設置しますので、こちらも是非ともお手に取ってご覧下さい。

野村昌平
shohhei nomura

2017.5