2023.12.11 - 2023.12.24

佐藤圭司 Keiji Sato
サバイサバーイ

佐藤圭司 Keiji Sato「サバイサバーイ_1」

佐藤圭司 Keiji Sato「サバイサバーイ_2」



【サバイサバーイ】

 タイに通うようになった切っ掛けは、タイで「沈没」した人のブログを読んだことだ。「沈没」とはあまりの心地の良さにその場に留まり続けることを言う。ブログには日本でのニート生活から逃げるようにタイに行き、行けば何とかなるという動機が綴られていた。ブラブラ生活しているうちにGoGoBARのダンサーの女性と同棲し、ヒモのような生活を送る様子が書かれていた。
 ブログの内容は決して褒められたものではなかったが、その文章力には妙に引き付けられるものがあり、僕をタイへと駆り立てるには十分だった。その彼が見ている景色や吸っている空気を感じたくて、僕はスワンナプーム空港に降り立った。
 真っ先に向かったのは中心地のスクンビットから少しだけ離れたプラカノンという町だ。彼がGoGoBARのダンサーの女性と同棲している町だった。彼女が踊っていたGoGoBARのある通りにも、何度も通った。通っているうちにブログのことはどうでもよくなっていて、バンコクの街に魅せられた自分がそこに居た。以来20回くらいバンコクに通い、「沈没」した彼の気持ちが少し解った気がした。
 通ううちに「サバイサバーイ」という言葉が自然に口から出るようになった。タイ語で「サバイサバーイ」は心地いい、気持ちいいという意味だ。「マイペンライ」気楽にやろうという意味のタイ語の方が有名だが、実際にはあまり聞いたことがない。
 撮影に疲れるとマッサージ店に入りフットマッサージをしてもらう。これがまさに「サバイサバーイ」で、思わず口からその言葉が出てしまう。コロナ禍以降久しくタイに足を運んでいない。そろそろ「サバイサバーイ」と口走ってみたいものだ。

佐藤圭司


【主な写真展】
2001年 「僕のグラフィティ ~ポップアートな街~」 キヤノンサロン 銀座、仙台、札幌、大阪
2003年 「The Filmed Feeling」 PlaceM
2005年 「Through The Smoked Glass」 コニカミノルタプラザ
2007年 「ノッポの視線」 PlaceM
2007年~2016年 「東京シアター」シリーズ 新宿ニコンサロン、コニカミノルタプラザ、PlaceM
2010年~2013年 「新宿スターレット」シリーズ PlaceM、M2gallery
2010年~2023年 「黒砂」 M2gallery、RED Photo Gallery
2011年 「渋谷チャンネル」 M2gallery、川越市立美術館
2014年 「東京街景色」 M2gallery
2014年 「閃閃台北」 PlaceM
2015年~2022年 「バンコク 景色」シリーズ TokyoLightroom、PlaceM、RED Photo Gallery、Cue・Brick
2015年 「張碓の景色」PlaceM
2017年~2023年 「東京Days」シリーズ PlaceM、RED Photo Gallery
2017年 「忍路の景色」PlaceM、RED Photo Gallery
2018年 「CUBA」RED Photo Gallery
2019年 「桜にゑびす」RED Photo Gallery
2019年 「張碓から忍路へ」PlaceM、RED Photo Gallery
2020年~2023年 「サバイサバーイ」RED Photo Gallery
2021年 「太陽の沈まぬ国」RED Photo Gallery
2021年 「豚の骨は噛み砕け」RED Photo Gallery
2021年 「張碓から忍路へ -春-」RED Photo Gallery
2022年 「ハバナ 愛しき人々」ケンコートキナーギャラリー
2022年 「サガリバナ」RED Photo Gallery
2023年 「東京26時」RED Photo Gallery
2023年 「東京Days」RED Photo Gallery
2023年 「黒砂」RED Photo Gallery
2023年 「コンルコタン」PlaceM、RED Photo Gallery
2023年 「サバイサバーイ」RED Photo Gallery
他 多数

【主なグループ展】
2011年 「Shinjuku Starlet」『INTERCAMBIO DE MIRADAS』 RSF Gallery スペイン
2011年 「Shinjuku Starlet」『Four weeks of Japanese Photographers』 Gallery LUX 韓国
2011年 「渋谷チャンネル」川越美術館
2012年 「PlaceM collection」 M2gallery
2015年 「Tokyo City View」 Taipei 台湾
2017年 「Trade Talks Tokyo-Nebraska Photography Exchange Exhibition」アメリカ
2017年 「PlaceM 30周年記念企画 コレクション展」PlaceM
2023年 「コンルコタン」台湾フォト2023
他 多数

【写真集】
2014年 閃閃台北(自家版)
2015年 東京街景色(自家版)
2015年 The BAR -Shinjuku-(自家版)
2015年 張碓の景色(自家版)
2016年 東京シアター(自家版)
2016年 バンコク夜景色(自家版)
2016年 バンコク色景色(自家版)
2017年 忍路の景色(日本カメラEvery Photo Books)
2019年 張碓から忍路へ(PlaceM)SOLD OUT
2020年 サバイサバーイ(PlaceM)
2021年 張碓から忍路へ-春- POST CARD BOOK(自家版)
2022年 黒砂 POST CARD BOOK(自家版)
2022年 東京Days(自家版)
2023年 黒砂(keizine)
2023年 コンルコタン(RED Photo Gallery)