10月5日より『空気』を展示している坂本です。
既に展示をご覧頂いた方々、本当にありがとうございます。
DMなし、キャプションもなし、という素っ気無い展示となってしまいましたが、どのように感じられたでしょうか。
日常の中の非日常の写真、それからデモの写真。
本来は別々の意図を持った作品が並べられていて、戸惑った方も多いのではないでしょうか。
当初、写真展で考えていた写真はサイトにアップしているものだったのですが、写真を準備している時期に安保法案のデモが活発化。また、9月19日の安保法可決に至り、デモの現場に居合わせ写真を撮っている者として、何らかの形で発表をしたい。そんな我儘を通させて頂いた形です。
ただ、この場を借りて政治の話をするつもりはありません。
けれども、今までは「戦争」というと遠い“非日常”であったものが、俄かに実現性を伴って目の前に迫っている事実を、写真で見て少しでも考えるきっかけとなれば、という思いがあります。
意見は人それぞれにあるでしょうし、安保法にしても、原発の問題にしても多様な考え方があって良いはずです。
それを許さない時代の「空気」というものを、どのように表現したら良いか、と考えて、今回の構成としています。
今日、ある方と話をしていて、静と動のエネルギー、という言葉を頂きました。
日常の中の“静”の“非日常”と、時代が動いている“動”の“非日常”。それを「空気」という二重性の言葉で表現している、という内容です。
まだ自分の中でも消化できていない作品ですが、そのように言葉にして頂くことで、すぅっと落ちてくるものがありました。
今回の展示では色々な意見を頂くことが多く、非常に勉強になっています。
坂本謙一写真展『空気』は、18日までの開催です。ぜひお越しください。
(坂本謙一)